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ひとコマの日常
「え?…なあにここ、オヤツも出ないの!?」

お姉さんは目を丸くして、信じられない!といった様子で私を見つめました。
「じゃあひょっとして、シュークリームなんて食べた事ないわよね?」

「しゅーくりーむ?なんですか?それ…」

聞いた事の無い響きです。
でも、なにかわからないのに私は…それがとても素敵なもののように思えました。

多分私は不思議な顔をしていたんでしょう。
お姉さんは、じーっと私の顔を見つめます。
 …と思うと、その表情がみるみるうちに、悪戯ッコみたいな笑みに変わって行きました。

私は、お姉さんのこの微笑みが好きです。こういう風に笑ってくれた後は、とてもイイコトが起こるから。

「うーん、うふふふふ。
 よーし! お姉さんが腕によりをかけて作ってあげる!」

優しげな瞳をきらきらと輝かせて、白衣を腕まくりするお姉さんを、私はただただ見つめる事しかできませんでした。しゅーくりーむって、 なんなんでしょう。

「ん?  んーふふー♪ 不思議そうな顔してるわよ、メイフリィちゃん。
 ちょっとまっててね?とってもいいものだから♪」

お姉さんは椅子から立ち上がって、にっこり笑うと…スキップをしながら、別の部屋へ行ってしまいました。













あの「シュークリームの日」から、お姉さんと私の間で…
午後三時には、おやつを食べながらのんびりすることが、習慣になっていました。
お姉さんは二時五〇分には書類を投げ出して、三時きっかりには私と二人でテーブルに向かい合います。ケーキやタルト、スフレにクッキー…おいしい、お姉さんの手作りのお菓子と、お茶を挟んで。


でもこの日は、少しだけ違っていました。

「…メイフリィちゃんも、作ってみる?」
| 創作覚書 | 23:38 | comments(0) |
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