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追憶のマイナス
 
マリエールは、死のうと思っていた。
子供ができたと告げたときの彼の表情は、彼女の心を殺した。
あとは体が死ぬだけ。
「ごめんなさい」
自分を慈しんで育ててくれた親に。
「許してね」
腹に宿ったばかりの命に。
「さようなら」
この美しい世界に。

深い緑のきらめく樹海に、飛んだ。

(ああ、羽根があればよかったのに。)


 
| 創作覚書 | 23:25 | comments(0) |
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