選ばれたこと 四
これは、賭けだった。

国の核となる女王と、私の片割れ。その二人に全く違う情報を与え、
手に入れたばかりの自分の能力を試す。
その能力は、人の…意識に介入すること。魔法としては、禁術にあたるだろう。
この力で、デュカには不安感を与え、女王には余計なことを語らぬよう暗示をかけた。
とはいえ、こんな力をいきなり使いこなせるわけもなく、周りの人間達には、意識が曖昧になるよう、白い霧をふりまくだけにとどめて置いた。
一人、熊の獣人…老師と呼ばれていた老人は、かかりが悪かったが。
ああ、だがそんな力を私は手に入れたのだ。神になるために。
これは試練だ。皆が矛盾にいち早く気づけば…失敗におわるだろう。
失敗すれば私はそこまで。
でも成功すれば…
「お前は神になる」と、あの声は言っていた。

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| 創作覚書 | 23:30 | comments(0) |
妖怪は憂鬱 二
娘が老夫婦と暮らし始めて、二年がたった。
少しの間、とは言っていたものの、暴発とそれ以前の記憶は断絶されたままで、戻っていないことを俺様は知っている。

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| 創作覚書 | 00:00 | comments(0) |
妖怪は憂鬱 一
俺様がこの娘とともに目覚めて十年、娘の生活はひどいものだった。
なにせ、この娘…ミリルを管理する男は、最初こそは優しかったものの、見知らぬ人間の病を娘に吸わせ、しまいには鞭を打っての虐待までしていた。
娘の世界はこの男と建て直された社、その奥の暗く鍵のかかった部屋だけだ。
もっとも、俺様の世界も同じだった。その上封印の力は強く、外の世界はおろか娘にすら干渉できない始末。なんとも長い十年だった。

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| 創作覚書 | 23:12 | comments(0) |
うつりゆくひと 五
ボタリ、と血が落ちた。
腕を、やられたようだ。最もこの程度の傷、わらわにとっては大したことではない。
 
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| 創作覚書 | 19:15 | comments(0) |
不老と不死の終わり
「本気かどうか、試してみるか?」

ニッと笑んだ顔に色気を感じ、ぞくりとして顔をそむけた。
 
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| 創作覚書 | 00:59 | comments(0) |
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