たまには何の変哲もない日記もよ
今年の春に、何の変哲もない日記もたまにはかいていきたいな〜と言っておいて書いてなかったので、いいかげん年末だし書こうな。年末いうたかて、年に数度しか更新しないブログに年末も年始もクソもあるかい、という感じですけれども。
 
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| 雑多 | 23:21 | comments(0) |
高貴な光が失われる日
すべてを隠さずに語ろうとは思わないし、かつての過ちは誰にも告げずに墓まで持ってゆく。
だがそれは、すべてを一人で抱え込む事とは違うのだと、30年生きて私はようやく理解できた。
教えてくれたのは、臣下である唯一の友。他愛ない話をしながら酒に付き合ってくれるだけで、暫し国王ではない自分でいられる。それだけで救われており、それだけで十分だと思っていた。
しかし、友は私を、沼に沈みゆくしかできない私の手をつかみ、引きあげてくれた。
……友がいて、よかった。オルフェが友でいてくれて、よかった。

「ふむ。」

長年の蟠りが嘘のように晴れ、徹夜であったというのに気分は悪くない。
一人になった私室。カーテンを開けると、夜明けの光が優しく部屋に満ちた。窓から望む城下には、早起きの人影がちらほらと動いている。その中に、見覚えのある大きな人物を見つけた。

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| 創作覚書 | 19:55 | comments(0) |
国王の浸食 三
「警備隊長に、現副隊長である、シルヴィア・ヘルムフリートを推薦いたします。」

もう表舞台に出ることがなくなったセイルーン小国国王は、椅子に座ったまま、私をただ眺めている。
視界の端には埃をかぶった小さなワインセラーがあった。使われている様子はなく、温度を保つための魔石は、取り換えられることなく朽ちていた。
私は、何もできなかったのだ。
 
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| 創作覚書 | 03:58 | comments(0) |
国王の浸食 二
「……陛下、お呼びでしょうか。」

久方ぶりに足を踏み入れた国王陛下の私室からは、かつての明るさは消え去っていた。
荘厳な部屋の造りは陰鬱な空気を際立たせ、部屋の主の暗い影は重々しい湿度となり、さながら貴人の牢獄であった。
じとりと重い空気のなか、唯一湿度を感じさせないのは、膝をつく私を、眺める視線。

「娘は、またあの神官と一緒か」

変わらず美しい双眸にかつての柔らかい光はなく、その赤は僅かに濁り濃く、そして冷たい。本当にこのお方は私の知る国王なのかとすら思わせる。
もしかしたら、私に助けを求めておられるのかもしれない、という思いは、早々に潰された。
 
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| 創作覚書 | 02:41 | comments(0) |
国王の浸食 一
「警備隊長に昇任した報告と、プロポーズを同時にやるとは。そなたらしいな。」

国王陛下の私室。私は年に数度、この場に仕事ではない用事で訪れる。
客は座っておけ、と言われて座った私の目の前に、簡単にはお目にかかれなさそうな赤ワインのボトルが置かれた。
 
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| 創作覚書 | 23:55 | comments(0) |
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